【開店】延岡のフレンチの名店が宮崎市に移転 - ふらんす食堂 Bistro マルハチ

一度、フランス料理のソースの作り方をちゃんと勉強してみたいと思っている、料理人Diceです。

2013年に延岡市で開業以来、宮崎の新鮮な食材を使ったフレンチを気軽に楽しめる店として有名だった「Bistro マルハチ」が、2月19日で閉店して宮崎市に移転するというので、そのオープンを心待ちにしていたのですが、ついに5月1日にオープンしたというので、フードアナリスト仲間を誘って、出かけてきました

場所は、宮崎県庁の東門(みやざき物産館前)から北に100mほど。レガロホテル宮崎の北隣にあります。

ドアを開けて中に入ると、左手に長いカウンターがあります。
カウンターは奥まで一直線ですが、途中で床が一段上がっているので奥の席はちょっと使い勝手が悪く、通常は手前の5席だけをお客様用に提供。
カウンターの奥には、広くて設備の充実した厨房があります。

カウンターの後方、右手奥には、4人掛けのテーブルが4卓。
木のフローリングに、ダークブラウンの落ち着いた色調の家具で全体が統一されています。

更に一番奥には、最大6人が腰掛けられるテーブルの置かれた広めの個室もあって、会食などにも対応できそうです。

 

内部には、ディズニーの世界が!

ここまでの写真を見ると、普通のシックなレストランのようですが、店内のあちこちに飾られている小物が
まず入口では、ドナルド・ダックの人形が迎えてくれます。

テーブル席の部屋にあるワインセラーの上には、シェフの写真や記念のグッズとともに、ミッキー・マウスの人形が2体。

壁を飾る絵もディズニーの世界。
といって、ファンシー一色というわけでもなく、シェフが修行したフランスのガイドブックや地図、料理の本、メダルやネームプレートなども飾られていて、アットホームな雰囲気を醸し出しています。

 

八田淳シェフ

実は、オーナーの八田淳さんは、1968(昭和43)年延岡市生まれで、フランスでジャン・バルデウストー・ド・ボーマニエールジルといった有名レストランで5年間修行を積んだ後に帰国。
帰国後はウェスティンホテル東京(株)オリエンタルランドでシェフとして勤務されていて、奥様の菜美さんとは、オリエンタルランド時代に知り合われたのでした。

その後、2013年10月に故郷延岡で「Bistro マルハチ」を開業し、前述したように5月1日から宮崎市に移転して現在に至るのですが、(株)オリエンタルランド時代の名残が、これらのディズニーグッズの数々に現れているという訳です。

八田シェフは、様々な料理コンクールで優勝の経験があり、フランスの鴨料理師に与えられる特別な称号「メートル・カナルディエ」を持つなど、その手腕には折り紙付きですが、肩肘張らずにアラカルトでフランス料理を楽しんで欲しいと話されます。

「カウンターでお客さんと話をしながら、料理を作り、提供したい。」
というのが、新しいお店を開くに当たっての八田シェフの願望のひとつ。

新しいお店には駐車場も無く、繁華街からはちょっと離れているので、立地としては決して恵まれているわけではありませんが、ふらっと立ち寄って、軽くワインとアラカルトの料理を楽しんでいただくようなお客様を大事にしたいという思いが、宮崎市への移転を後押ししたようです。

 

カウンターでアラカルトをいただく楽しみ

そういうわけですから、予約の電話をした時には、あえて「カウンターで」とお願いしました。
4人で予約したので、「個室も空いてますよ。」と言われたのですが、シェフとおしゃべりするのが目的ですから、カウンターは外せません。

座席についたら、まずはスパークリングワインで乾杯!
ハウスワインのスパークリングは、1杯580円とリーズナブル。

料理のオーダーは当然にアラカルトで、まずは「冷製オードブル盛り合わせ」を選択。
根セロリとリンゴの冷製仕立てや日南どり胸肉の燻製、カボチャ・ニンジン・タマネギ・ダイコンのピクルス、赤キャベツのマリネなど、口の中をさっぱりとさせつつ食欲を掻き立て、ワインに合うオードブルが盛られています。

 

バスク地方の生ハム

続いての前菜は、「バスク地方の生ハムとサラミ」

前菜を重ねるのもどうかと思ったのですが、スペインはバスク地方産の骨つき生ハム「ハモン・セラーノ」を目の前に見せられたら、これを薄く削って食べたくなるのが人情というものでしょう。

 

おまかせワイン

スパークリングワインを飲み干したら、次は赤にしようか白にしようか迷いますね。
そんなあなたに、「おまかせ2種グラスワイン」
赤と白、赤と赤、白と白の組み合わせで、その日のおまかせ2杯が1,280円。

こちらは、赤と赤の組み合わせ。
この日は、ドメーヌ・ド・ラ・クーデット(右)とレゼルブ・デュ・ヴィニュロン(左)でしたが、個人的には右の方がこの日の気分に合ってました。

 

まだまだ料理は続く

続いての料理は、「ラップサンド・ひよこ豆の香草スパーシーボール入り」
4人でシェアしたので、4等分されていて全容がわかりづらいですが、中東料理の「ファラフェル」という、ひよこ豆で作ったコロッケのようなものに、胡麻を使った酸味のあるソースをかけ、トマトや玉ねぎとともにトルティーヤのようなもので巻いた料理です。
フレンチと言いながら、中東の影響を色濃く受けていて、コリアンダーやクミンなどのスパイスが効かせてあります。
始めた食べる味でしたが、美味しくいただけました。

続いて、麺料理。
フレンチでは麺料理の印象は薄いのですが、フランスにも当然に麺料理はあって、これは「ヌイユ」という卵をつなぎに使った平打ち麺を茹で上げて、トマトベースのミートソースをかけたもの。

もう一つおなじ麺で、カルボナーラにしたもの。
もっちりした麺で、どちらも甲乙つけがたし。

 

看板料理のラクレット

そして、今回のメインを飾るのは、看板料理とも言える「ラクレット」
グリルした肉と野菜、パンを盛り合わせた皿に、まずは八田シェフが厨房のフライパンで溶かしたグリュイエールチーズをかけます。

続いて、奥の方で奥様の菜美さんがラクレットチーズを専用のグリルで温めて溶かします。

その溶けたラクレットチーズを、たっぷりとかけたら出来上がり!

もうこれは、チーズが冷えて固まらないうちに、ふうふう言わせながら食べるのが吉。
2種類のチーズの味わいの違いを楽しみながら、野菜や肉、パンのそれぞれの個性を味わいます。

延岡時代には、「マルハチ」と言えば「ラクレット」と帰ってくるくらいの看板メニューだったそうですが、変わらず宮崎でも楽しめるのは嬉しいですね。
こういう料理を作る過程を、目で見ながら楽しめるのも、カウンター席の良いところ。

もちろん、コース料理もしっかりとありますので、会食やデートなどの際は、テーブル席や個室でゆっくりとお楽しみください。

八田ご夫妻から楽しいお話を伺いつつ、美味しい料理を堪能した今回の訪問でした。
まだまだ味わっていないメニューがたくさんありますので、また寄らせていただきます!!

 
【ふらんす食堂 Bistro マルハチ】
住所:宮崎市橘通東2丁目9-14 トライスター本町通りビル1F → マップ
電話:0985-72-6862
営業時間:18:00~22:30
定休日:日曜日

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Dice

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。 2020年8月からテゲツー!のWebサイトの管理運営を引き受け、ライター兼編集長としてテゲツー!全般の面倒を看ています。 趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。