今年が見納め!妻への愛がつまったシバザクラ-黒木邸/新富町

寄稿者:星野ワタル
占星術家。宮崎に惚れ込み、移住して早1年。宮崎ライフを満喫中。人の本質から溢れる夢や願いが大好き。人が自分を知り、未来を創るための一歩を占星術を通じてサポートしています。

宮崎県児湯郡新富町のちょっと変わった観光名所、「黒木邸」へとお邪魔して来ました!

みてください、この一面のシバザクラ!

花畑の面積は、約4千平方メートルにもなるのだとか。

そして、、、ここはなんと、個人宅。

シバザクラの開花期(3月下旬から4月下旬)のみ一般公開されており、多い日には7000人近くが花を見に訪れるそうです。

すごい!

ちょとしたテーマパーク並みの来場者数です!

視力を失った妻への想いが育てた「シバザクラ」

個人宅でありながら、一般公開されているワケ。

これだけの規模の花畑を黒木敏幸さんが維持し続けたワケは、黒木さんの奥様への想いにありました。

この花畑の誕生のきっかけは、30年寄り添った妻の失明。

「お金をためて、いつか夫婦二人で世界一周をしよう」

そう夢を抱いていた矢先のことでした。

社交的だった奥様の靖子さんは、一転して塞ぎ込みがちに。

妻から光を奪ってしまった不甲斐なさに、黒木さんは涙が止まらなかったとか。

そして、思いついたのが、当時はまだ珍しかった「シバザクラ」の花畑を作ること。

「珍しくてきれいな花畑が家にあったら、たくさんの人が来てくれるかもしれない。
引きこもりがちになった、妻の話し相手になってくれるかもしれない。」

そんな想いで、黒木さんはシバザクラの庭造りにチャレンジしたのです。

必死で覚えた、シバザクラの増やし方と育て方

元は酪農家の黒木敏幸さん。

花の栽培知識など全くない状態から、肥料の配分、挿し芽の方法など、シバザクラに関することならなんでも覚え、来る年も、来る年も育て続けたそうです。

全ては妻の笑顔を取り戻すため。

見つけた雑草を毎日丁寧に抜き取り、様々な工夫と失敗を重ね、少しづつ、少しづつシバザクラを増やし続けて10年。

そこには庭一面の花畑が広がっていたのです。

庭には人が、妻には笑顔が

たった一人で作り上げた広大な花畑。

そこには評判を聞きつけた人が訪れるようになり、談笑を楽しむ靖子さんの姿もあったとか。

いつかのような朗らかな妻の笑顔をみて、黒木さんはどう思われたことでしょう。

ただ妻を元気づけたい、そんな愛から始まったシバザクラの庭。

そのスケールと、深すぎる愛に、涙が出そうです。

こんな愛し方をしてみたい

黒木さんの奥様への想い。

このエピソードを聞いた時、20代の私なら「こんな愛され方をしたい!」と感じたでしょう。
 
でも、今の私が感じたのは、「こんな愛し方をしてみたい」でした。
 
愛に尽くすことは、人生を限りなく豊かにしてくれる。

それを黒木さんのお庭から、改めて教えていただいた気がします。
 

(参照:朝日新聞社 Youtube「光失った妻に芝桜を 宮崎」)

そんな素晴らしい黒木さんのお庭ですが、2017年をもって一般公開を終了されるそうです。

20年以上に渡る、庭のお手入れと来場者へのもてなし。

本当におつかれさまでした。

そして、ありがとうございました。

このお庭は、愛の素晴らしさを、たくさんの人に伝えたのだと思います。

今年が最後のチャンスです。

みなさんも、「黒木さん家のシバザクラ」訪れてみてはいかがでしょうか。

◆黒木さん家のシバザクラ
住所:宮崎県児湯郡新富町
(県道 高鍋-高岡線沿い 新富町新田東畦原地区)の黒木敏幸さん方

※個人宅ですので、訪れる際には近隣の方のご迷惑にならないようにお願いいたします。

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宮崎てげてげ通信ライター(寄稿)

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