東京在住の宮崎県人。
チャレンジする日本全国の農家を応援すべく日々奔走する傍ら、週末はもっぱら趣味のロードバイクの練習とレースを転戦する日々を送る。
夢は宮崎のおいしい野菜を世界に広めることと、宮崎でレースとロングライドイベントを開催すること。
何はともあれ、まずは動画をご覧あれ!
延岡市の美しい海や山、そして何やら怪しげな「美食ミステリーツアー」の招待状が届く所から始まるこの動画。
実は、延岡市とお隣の大分県佐伯市とが共同で発信する「東九州バスク化構想」のPR動画なんです。
おおぉ、なんか東九州とか、バスクとかスケールデカいけど、どういうこと?
淳一さんは、株式会社POPS代表で、現在、全国20以上の都道府県でシティプロモーションや商品ブランディングなどを手がけているクリエイティブディレクター、コピーライター、コミュニケーションデザイナー。
なんと、その作品がトロント国際映画祭公式上映作品選出など様々な賞を国内外で受賞する一方、東北芸術工科大学非常勤講師も務めているのです。
これは、いろんなウラ話が聞けそう。
「バスク」というのは、フランスとスペインの両国にまたがるバスク地方のことで、独自の言語(バスク語)を持ち、世界一の美食の街サン・セバスティアンを擁して、「食材の宝庫」とも言われるエリア。
このバスク地方をヒントに、豊かな海・山・川の食材で新たな経済・ 文化圏を作ることを目指すということらしい。
ふむふむ。
2015(平成27)年に延岡市で行われた「エンジン01延岡大会」で、料理評論家の山本益博氏をはじめ、県外から訪れた著名な調理人や美食家の文化人たちが口をそろえて、
「延岡は食の宝庫だ!」
と評したことから、この構想が始まったのだそうです。
延岡市出身の淳一さんは、最初は、
「えっ? 延岡が食で地域振興? ちょっと無理があるんじゃ…」
と感じたそうですが、このプロモーションを担当して、改めて居酒屋からレストラン、お寿司屋さん、ラーメン屋さんなどの飲食店や、売られてる食材など延岡の食文化に触れてみて、自分でもびっくりするほどの驚きと発見があったそうです。
今回のプロモーションを企画するに当たって、延岡の食のポテンシャルが高いなんて、誰も思ってないだろうという前提で、コンセプトを
「Surprise & Discover Unknown Nobeoka」
にしたのだそうです。
「誰も知らない延岡の食のポテンシャルに、全国の人はもちろん、地元の人にも驚き発見してもらおうと、まずは、徹底的にドキュメントにこだわりました。
『延岡は食べ物がおいしいです!』と言うのは簡単ですが、美味しさというのはとても主観的な感想です。
いくら言葉を尽くしても、それが体感として共感されない限りは届かないと考えました。
なので、フィクションは極力排除し、リアルにしていこうと。
そこに描かれる登場人物のリアクションや風景などで感じられなければ、伝わらないと思いました。
とにかく、『延岡の食は美味い』を一方的に押し付けないことにこだわりました。」
なるほど。
確かに宮崎県出身の僕でも、動画を見て驚かされましたし、こんな延岡、誰も知らなかったんじゃ!?と思いました。
招待された人たちにどんどん感情移入して、動画を見ている間、こっちもずっとドキドキしっぱなし。
淳一さんの目論見どおり、しっかりと美味しさが感じられるPR動画に仕上がっています。
僕も東京で記事を書いていながら、延岡に行きたい衝動が…!
次の帰省で絶対延岡行く! 行きます! 行かせて下さ~い!!
「登場する2組は、早朝、福岡から目隠しとヘッドホンをして車でやってきて、どこに向かってるかは何も知らせていません。
本当に大変だったと思います。
筏の上のレストランは、もっと湾内にすれば、波を受けずに設置も楽だったのですが、ロケーションを優先してかなり沖に向かったところに作りました。
日本国内や世界各地でいろんな撮影をしてきたのですが、自分史上でもかなり高難度な企画だったのは間違いありません。
故郷でなかったら、様々な協力を得られず、実現できなかったと思います(笑)。」
と、苦労の様子を語る淳一さん。
「お気に入りのポイントは、やはり、レストランの壁が倒れるところでしょうか。
撮影前日は雨と風が強く、壁を倒すテストがほとんどできずに本番に挑んだんですが、まさかの一発成功!
長時間、筏の上で声を出さずに待機していた生産者さんたちの、とびきりの笑顔とあれだけの晴れ空。
狙って撮れるものではない奇跡の数々を含めて、ドローンからの眺めはぜひ見て欲しいシーンです。」
「延岡人はどこかのんびりして、押しの強さはないんですが、『いっちゃがいっちゃが』と言って、いつの間にかいろんなことを受け流し、受け入れている。
いろんな意味でやわらかさを持ってる感じがします。
少し高台に上れば、海と山と川が一度に視界に入る土地はあまりない気がします。
おおらかで豊かな自然に囲まれ、四季それぞれの海と山と川の幸が暮らしのそばに在ってくれる風土。
そこまであくせくせずとも、周りとの摩擦を起こさずとも、生きていけるやわらかさを身にまとったのかなと、個人的には思います。
延岡に来られた方には、ぜひ、街中の居酒屋さんにふらっと入って欲しいです。
そこで食べるちょっとした一皿が、結構美味しいので。
これは、動画に登場したミシュランシェフの岸本さんも太鼓判でした!」
地域振興に必要なのは、“よそ者、若者、ばか者”と語る淳一さん。
地元の人が当たり前だと思っていた食のポテンシャルを、この地に訪れた“よそ者”の人たちが見出してくれたのだと言います。
「故郷故に、自分自身も“よそ者”としての視点で見ていなかったのは反省ですね。
この大切な芽を、しっかりと育てていかなければと思っています。
今後については、まだ何も決まってないのですが、これからも“九州の三ツ星美食エリア”を目指していくと思います。
正直、すごく時間のかかることですし、簡単なことではないと思います。
でも、延岡の食の持つ力には、十分にそのポテンシャルがあると信じています。
今後もお手伝いできることがあれば、その実現に向けて、いろんなアイデアをどんどん注ぎ込んでいきたいと考えています。
全国各地で地域を元気にする仕事をしていますが、やっぱり延岡は故郷。つい肩に力が入りすぎてしまうので、そこは自制しながら(笑)。」
どうやらこのPR動画は、まだ第一弾のようです。
またまた、こんなハラハラドキドキを味合わせてくれるはずの第二弾が楽しみすぎる!!
これからも、「筏の上のレストラン」東九州バスク化構想公式サイトを要チェックです。