一ノ瀬文香さんが語る! 「多様な生き方ができる地域とは?」

寄稿者:さこっち

宮崎の音楽・食・人が大好き。
ピーマン、キュウリ、タマネギなど、宮崎特産の野菜が苦手という斜め上をいくライター。
現在は、宮崎の魅力を発信し、他県から移住してもらえるよう取り組んでいる。

どうも、さこっちです。
先日、よしもとクリエイティブ・エージェンシーとのコラボで開催した「第11弾 テゲツー!寺子屋」の様子をお伝えします。

 

「LGBT」って?

早速ですが皆さんは、皆さんは、「LBGT」という言葉を聞いたことがありますか?

LGBTとは、L(Lesbian、レズビアン)・G(Gay、ゲイ)・B(Bisexsual、バイセクシュアル)・T(Transgender、トランスジェンダー)の頭文字をつなげた、様々な性のあり方を持っている人たちを表す総称のひとつとして近年使われている言葉です。
日本では、性的少数者、セクシュアルマイノリティ(セクマイ)とも呼ばれています。

今回の「第11弾 テゲツー!寺子屋」では、ゲストによしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のタレント、一ノ瀬文香(いちのせあやか)さんをお招きして、自分らしく生きることや、LGBT(性的マイノリティ)の理解が進み暮らしやすい社会の実現を目指して取り組めることなどを、参加者の皆さんと一緒に考えていきました。

一ノ瀬さんは、テレビ・映画への出演のほか、執筆活動もされており、自らの体験を語った『ビアン婚。~私が女性と、結婚式を挙げるまで』を出版するなど、大活躍中のタレントさんなのです。
詳しいプロフィールはこちらから。

まず、私たちの住む日本には、どれだけのLGBT(性的マイノリティ)の方がいらっしゃると思いますか?

電通ダイバーシティ・ラボが、全国約7万人に対して行ったインターネット調査によれば、13人に1人がLGBT(性的マイノリティ)に該当する、ということが分かりました。
13人に1人!?
約1,000万人!?
これって意外と多くない?
そうです。何と神奈川県の人口、左利きの人の割合、日本の小・中学生の人口、AB型の割合とだいたい同じくらいなんですよ。
これは驚きですね。

そして、LGBT(性的マイノリティ)についてそれぞれ簡単に説明すると、
L(レズビアン)は、女性の同性愛者のこと。「レズ」という言い方は、当事者を不快な気持ちにさせることがある。
G(ゲイ)は、男性の同性愛者のこと。「ホモ」「オカマ」という言い方は、当事者を不快な気持ちにさせることがある。
B(バイセクシュアル)は、両性愛者のこと。男性にも女性にも魅力を感じる人のことを言います。
T(トランスジェンダー)は、心と体の性別が一致していない人(性同一性障がい)や、生まれた時の性別にとらわれずに生きている人など。
となります。

しかしこれらは複雑に重なることがあるのです。
例えば、男性として生まれてきたけれども女性と性自認されている人はトランスジェンダーです。その人が女性に魅力を感じるのであれば、それはレズビアン(女性の同性愛者)なのです。つまりトランスジェンダーレズビアン。
これはほんの一例であり、本当に性(セクシュアリティ)のあり方は多様なので、見た目や少し話をしただけでは簡単に判断することはできないのです。

一ノ瀬さんには、こういったことを一つ一つ丁寧に解説いただきました。

 

レインボーとLGBT(性的マイノリティ)

ここで一つ豆知識を。

会場にはの入り口やテーブルなどには、今回、レインボーカラー(虹色)のものを設置しました。
実は、LBGT(性的マイノリティ)の社会運動を象徴する色として、「レインボー」が使われています。1970年代から使われたこの虹色は、複数の色が含まれ共存している事から、虹の色のような性の多様性を祝福する意味を持っているんです。

「LGBTフレンドリー」とは、LGBT(性的マイノリティ)を個性として認め、受け入れている状態を表す言葉です。
国や場所、人々や団体などが、LGBT(性的マイノリティ)を含むすべての人々に敬意をはらい、偏った判断の解消を行おうとする態度を表明するために使われているんですね。

 

LGBT(性的マイノリティ)の生きづらさ

さて、話を戻して、実際にLGBT(性的マイノリティ)の人達はどういう生きづらさを抱えているのでしょうか。

一ノ瀬さんは、次のように例を挙げて解説されました。

  • 差別や偏見の対象となることで精神的に追い詰められがち。(なんと、同性愛者やバイセクシュアル男性たちの自殺未遂率は、異性愛男性たちの約6倍!)
  • T(トランスジェンダー)は、Tであることを理由に就活で不採用にされがち。
  • 同性カップルは婚姻できないので、住居を借りづらい&購入するのにペアローンが組めない。
  • 同性カップルはパートナーの最期を見届けられない(集中治療室などに入れてもらえない)
  • 財産、遺産を相続できない。

など、社会的に生きづらい環境があるようです。

そうした中で、近年、「アライ」という言葉が生まれています。
「アライ」とは、英語で「同盟、支援」を意味する”ally“が語源で、LGBTの当事者ではない人が、LGBTに代表される性的マイノリティを理解し支援するという考え方、またはそうした立場を明確にしている人々を指す言葉で、企業などでLGBTへの理解・対応が求められるなか、社内での「アライ」の存在が重要になると言われています。

また、全国では少しづつですが、LGBTへの支援を行う自治体が増えてきました。
大阪府淀川区では2013年に、全国で初めてLGBT当事者やコミュニティーを支援する「LGBT支援宣言」を行ったり、奈良市では2016年に、LGBTの旅行を支援する国際団体「国際ゲイ&レズビアン旅行協会」に、日本の自治体では初めて加盟したりしています。
他にも、渋谷区では2015年から条例によって同性愛カップルにパートナーシップ証明書の交付を行い、世田谷区や伊賀市、宝塚市、那覇市などでも同性愛カップルにパートナーシップ登録や宣誓を開始。
さらに千葉市では、来年2017年から、パートナーがいる同性愛の市職員に結婚休暇にあたるパートナー休暇やパートナーの父母や子にも適用される介護休暇を導入するなど、他県でも取組が進められています。

 

宮崎での取組は?

そして今回、地元宮崎から、LGBTの方々が自分らしく輝ける、自分らしくそのままでいられる、安心して話ができる場所として「LGBT交流会」を実施されているRainbow View Miyazaki(レインボービュー宮崎)代表の山田健二さんにもお越しいただき、地方(田舎)であるがゆえ、理解が進みにくいといった宮崎の現状や、団体での取組について、また、活動を通して知った当事者たちの悩みや苦しみといった声について、非常に分かりやすくお話いただきました。

ここ宮崎でも、こうしたLGBTを支援する団体があるということは、すごく心強いですよね!
Rainbow View Miyazaki(レインボービュー宮崎)では、定期的に、当事者や支援者、興味を持った方などが集まれる場所づくりを行っていますので、関心のある皆さんはぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

残り時間で、会場にお越しいただいた皆さんと、一ノ瀬さん、山田さんと交流いただきました。

各テーブルを回る中で、参加者から熱心に質問や経験談などが飛び交い、会場はヒートアップ。非常に盛り上がりました。

 

最後に

最後に、宮崎大学地域資源創成学部講師の土屋有さんから、
「この宮崎で、LGBTについて理解を深められるような機会があることは大変有意義で、嬉しいこと。
私たちの身近にも、LGBTで悩み苦しむ人たちがいることは事実。
大学の専門分野の研究者とも連携して、サポートしていきたい」
と締めていただきました。

この日は、Facebookで短期間告知しただけでしたが、予想以上の参加があり、マスコミの取材もあって、関心の高さが伺われました。
今回の「テゲツー!寺子屋」がきっかけとなり、宮崎でLGBTの支援の輪が広がることを期待したいと思います。
一ノ瀬さん、Rainbow View Miyazaki代表の山田さんほか、参加された皆さん、どうもありがとうございました!

最後の最後に、今回コラボでお世話になった、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの方々と記念ショット。
(後列左から、テゲツー!ライター陣のさこっち、シロ、こーへい、
前列左から、作家の高橋さん(キュートン)、一ノ瀬さん、前原さん)
皆さん、本当にお世話になりました!!

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Dice

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。 2020年8月からテゲツー!のWebサイトの管理運営を引き受け、ライター兼編集長としてテゲツー!全般の面倒を看ています。 趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。